胎盤早期剥離とは?症状と原因・葉酸との関係性

監修医師:山中 薫子 先生

【資格】

日本産科婦人科学会 産婦人科専門医
母体保護法指定医師

【所属学会】

日本産科婦人科学会

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【経歴】

愛媛大学医学部卒業
明石市民病院産婦人科勤務
京都府立医科大学付属病院 産婦人科勤務
渋谷文化村通りレディスクリニック(院長)

胎盤早期剥離とは?

胎盤早期剥離の症状と原因・葉酸との関係性

 

胎盤早期剥離は、子宮内壁にある、お腹の赤ちゃんに栄養や酸素を届ける円盤状の臓器である『胎盤』が、赤ちゃんが生まれる前に『剥がれる』ことです。

 

常位胎盤早期剥離(じょういたいばんそうきはくり)とも呼ばれ、発症率は妊婦さんの『0.5~1.3%』と低いですが、発症した場合は母子ともに危険にさらされます。

 

胎盤の剥がれる面積が大きいほど『出血』も多くなり、母体では、ショック状態や肝臓や腎臓等の臓器障害などが起き、最悪の場合は死に至ります。

 

胎児にも悪影響は及び、『栄養や酸素不足』から30~50%が子宮内胎児死亡につながります。帝王切開で蘇生処置を行い一命を取り留めても、脳性麻痺が残ることも多く、将来、身体が不自由になります。

 

胎盤は妊娠維持する上で大切な臓器なので、胎盤早期剥離により剥がれてしまうと、お母さんもお腹の赤ちゃんもキケンな状態に陥る可能性が高まります。

胎盤早期剥離の症状

胎盤早剥の初期症状は殆どありません

妊娠30週から35週と『妊娠後期』に起きやすい胎盤早期剥離ですが、初期症状は殆どなく『自覚しにくい』ことが多いです。

 

症状が進行した場合は、下腹部に『激痛』が起きてカチカチに『硬く』なります。同時に、『少量の害出血』が起きることもあります。

 

また、『胎動』も弱くなったり確認できなくなったりします。

 

胎盤早期剥離は初期段階だと少量の出血や軽度の下腹部痛などが現れます。ちょっとした不調と勘違いしやすいところが怖いところです。

胎盤早期剥離の原因と発症しやすい妊婦さんの特徴

原因は、『妊娠高血圧症候群』や『タバコ』などいくつかあげられます。
特に、『妊娠高血圧症候群』にかかっていたり、『タバコ』を吸ったりする妊婦さんは発症しやすいです。

 

また、過去の妊娠で『胎盤早期剥離』になった方も発症リスクが高まります。

 

~胎盤早期剥離の原因とその理由~

妊娠高血圧症候群

妊娠高血圧症候群の妊婦はそうでない人に比べて胎盤早期剥離が起きやすいことが知られています。
妊娠高血圧症候群による胎盤の異常によって発症しやすいと、多くの医師が指摘しています。
また、高血圧で胎盤に損傷が加わりやすいことも原因と考えられています。

タバコ

ニコチンの胎盤の血管収縮による機能低下で、胎盤早期剥離を招きやすいです。タバコを吸っていない方と比べて、発症リスクが2倍もあがります。
吸わない場合でも家族に吸う方がいれば、副流煙からニコチンを吸って影響を受けることもあります。

胎盤早期剥離の既往

過去の妊娠で胎盤早期剥離にかかった方は、発症率が5~15%と上がります。
かかったことのない方より10倍も発症しやすいことになります。

切迫早産や前期破水

早産しそうな状態や陣痛前に破水する状態は、絨毛膜羊膜炎(じゅうもうまくようまくえん)によるものが多いです。
絨毛膜羊膜炎に感染すると、胎盤が付着している部分が離れやすく、胎盤早期剥離も起きやすいです。

胎児の奇形

胎児の奇形は胎盤の形態異常も伴いやすく、胎盤剥離を招きやすいです。

羊水過多

子宮を垂直に測定して長さが8cm以上と羊水過多の場合、破水と同時に子宮の容積が一気に減って、胎盤の剥離も起きやすくなります。

外的刺激

転倒や交通事故など外的刺激で、子宮内にも衝撃が加わり、胎盤早期剥離に繋がることもあります。
時間が経過して発症することもある為、すぐに症状がでなくても病院に行った方が良いです。

もしかして胎盤早期剥離では?と感じた場合の診断方法

胎盤早期剥離の診断は超音波検査です

 

胎盤早期剥離の診断方法は、子宮内をみる『超音波検査』によるもので、胎盤が付いている部分の影の有無を確認します。影がある場合、胎盤早期剥離と診断されます。

 

また、『胎児の心拍数』の計測を行うこともあります。心拍数が弱い場合、胎盤早期剥離により胎児に悪影響が及んでいると判断されます。

 

早期発見で母子の命を守ることができる為、胎盤早期剥離の疑いがあれば、すぐにかかりつけの『産婦人科』に受診してください。

 

深夜の場合は『電話』で連絡をとって、状況を説明して対応してもらいましょう。産婦人科の場合、深夜に電話などで対応してくれる所が多いです。

 

とにかく腹痛や不正出血など疑いがある場合は、すぐに病院に行くことが、最悪の事態を避けられる唯一の方法となります。

胎盤早期剥離の予防と対策

定期的な妊娠健診は大切です

胎盤早期剥離を起こさない為には『定期的な妊娠健診』が一番です。妊娠健診では超音波検査も行われ、早期発見によって大事には至りません。

 

他にも、胎盤早期剥離の原因になる、『妊娠高血圧症候群』にならない様に食生活や生活習慣に気をつけたり、『禁煙』したりすることも大切となるでしょう。

 

また、『転倒』や『交通事故』などがあれば、目立った外傷がなくても、念のため受診することも必要です。

胎盤早期剥離と葉酸の関係性

妊婦さんの『葉酸不足』が胎盤早期剥離のリスクをあげると、『聖マリアンナ医科大学産婦人科学教室教授』が1998年に発表しています。

 

カナダにあるマクギル大学及びモントリオール子供病院研究所ヒト遺伝学部で行われた動物研究からも、妊娠中に葉酸欠乏があったマウスに『胎盤早期剥離が多い』という結果が出ています。

 

これらを受け、厚生労働では『妊娠中の葉酸摂取を推奨』しています。葉酸を摂取することで、臓器の『細胞増殖』が働き、胎盤の異常防止と供に『胎盤早期剥離の予防』にもなると考えられています。

まとめ

胎盤早期剥離についてお判り頂けたでしょうか?胎盤早期剥離について話してきました。

 

妊婦さんの発症率は低いものの、発症した場合は母体と胎児の『死亡リスク』が高まります。
妊娠後期に起きやすいですが、『初期症状がほとんど無い』ので、症状が進行しなければ分かりません。

 

下腹部に『激痛』や『硬さ』を感じた時には症状が重度になっていることも多く、病院で『緊急帝王切開』などの処置がとられます。

 

ポイント基本、早期発見されれば最悪の事態を避けることはできるので、疑いを感じた場合は『すぐに病院』に行くことが大切です。

 

また、普段から胎盤早期剥離を起こさない様に、『定期的な妊娠健診』や『禁煙』など予防と対策を万全にしておきましょう。

 

併せて、『葉酸の摂取』が胎盤早期剥離の予防に繋がる可能性があるということが数々の研究から明らかになっている為、葉酸の摂取も忘れてはいけません。

 

胎盤早期剥離の症状と原因・葉酸との関係性監修医師:山浦 真理子先生

内科認定医/Ph.D.(医学博士)、日本内科学会会員
2013年 米国ワシントンD.C.とニューヨークへ留学
2015年 帝京大学大学院卒業、医学博士号(Ph.D.)取得
現在 上用賀世田谷通りクリニックにて常勤内科医として勤務
語学を活かし外国人診療にも積極的に関わりプライマリーケアに力を入れている

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